こんにちは。 12歳のポメラニアンの飼い主です。 シニア犬になってからは、健康の悩みが多くなってきたので記録に残したいと思います。
その中でも最も悩んでいるのが11歳に始まった「脱毛」です。最初は脱毛の原因が分らず、セカンドオピニオンを求めて、いくつもの病院を巡りました。ちなみに、今回の記事はちょっと長めで重めです。
脱毛の経過
脱毛に気づいたのは1年半前です。急にお尻の毛が左右対称に薄くなり始めました。これはもしかしたらホルモンの病気かもしれないと思いました。
さらに半年ぐらい経つと、それまでフサフサだった尻尾もラットテイル(ネズミのような尻尾)になり、先っぽが見えるようになりました。ポメラニアンの象徴が~😭(治療中です)
さらに、1年ぐらいすると毛質さえも変わってきました。ぬいぐるみのように固くパサつくきが目立つようになりました😭(治療中です)
また毛が抜けてしまったところは皮膚が黒く色素沈着が目立ちます。
最近、行ったセカンドオピニオンの皮フ科専門で検査をしてもらったところ、背中の一部が毛周期が停止していました。OMG😭(治療中です)
甲状腺機能低下症の診断
この脱毛の原因の一つとして診断されたのが「甲状腺機能低下症」でした。
「甲状腺機能低下症」になると、甲状腺(喉ぼとけ)から出ているホルモンが低下します。人でいうと、女性に多い橋本病などにあたります。血液検査をしたところ、うちのポメラニアンは甲状腺ホルモンT4が平均よりも低い数値でした。(2022年3月診断時)
・TSH(脳からの甲状腺刺激ホルモン):0.35ng/ml(基準値0.5以下)
・T4(甲状腺ホルモン):0.83μg/dL(基準値1.00ー2.90)
甲状腺ホルモンは通常、身体の基本機能であるホメオスタシス(生体恒常性維持機構)を保っています。しかし、甲状腺ホルモンが足りなくなると、細胞の新陳代謝が落ち、皮膚や毛の細胞が入れ替わらないため脱毛してしまいます💦
ただ甲状腺機能低下症は他にも症状があります。いずれもシニア期に多い症状のため、加齢と見逃されやすいようです。
①真菌に感染しやすくなる
甲状腺のホルモンが足りないと免疫が低下しやすくなります。すると皮膚トラブルが増えます。多いのが「真菌の感染」なります。顔や体の所々にカビの円形脱毛ができやすくなります。”ぜにたむし”(白癬菌)やマラセチア(脂漏性皮膚炎)などもカビの一種で真菌感染にあたります。
うちのポメラニアンは、ちょうどお尻の脱毛が始まる1年間前ぐらいから、この真菌感染が顔に目立つようになりました。
ちなみに、真菌は病院の暗室でウッド灯にかざすと、カビが反応して青く光ります。病院からはもらった抗真菌薬(ニゾラール/ケトコゾナール)を塗ると、瞬間的には治りますが、また繰り返します。
抗真菌薬は通常、長期間使えないようでが、外用薬は内服薬より肝臓への負担が少ないようです。
最初は飼主は、てっきり子供がプールでもらってきた”ぜにたむし”で季節性のものだと思っていました。ちょうど、子供の頬にも円形の脱毛ができていました。しかし、その後も季節を問わず、うちのポメラニアンだけが感染を繰り返すようになりました。原因はやはり甲状腺ホルモンが減ったことによる免疫力の低下でした。
②疲れやすく、寒がる
また甲状腺ホルモンが下がるとタンパク質や酵素を合成できないので、全身がエネルギー不足になります。そのため「疲れやすく」なり1日を通しても寝ている姿が目立つようになります。「運動量が落ちる」ため、「筋肉も落ちやすく」、「太りやすく」なります。活発なワンちゃんの場合、この時点でおかしいな?と気づくと思います。うちの子はそもそものんびり屋さんで太りやすいので、その変化はあまり気になりませんでした。ただ甲状腺ホルモンの場合、低体温になりやすく、異常に「寒がる」ようになります。
うちの子の場合、特に寒がりが目立ちました。散歩に行くと、歩き出す前にブルブル震えるようになりました💦そこで急な温度変化の負担を減らすために、部屋ではルームウェア、散歩は厚手の服を着るようにしました👍
長時間の移動時はカートに毛布やカイロを入れるようにしました👍
ちなみに通常のワンちゃんでも外気5℃ぐらいから寒さを感じるようです。
③中性脂肪、コレステロール、肝数値があがる
これが正直、一番やっかいかもしれません。甲状腺ホルモンが少なくなると、体内で炭水化物や脂肪を分解しづらくなるからです。すると徐々に血液検査で中性脂肪や総コレステロールが高値になり、高脂血症になっていきます😱
つまり血液がドロドロになってつまりやすく、東洋医学でいう“瘀血(おけつ)”の状態になります。すると肝臓と胆嚢にも負担がかかるため、肝臓の数値も徐々にあがっていきます😱
治療開始時、うちのポメラニアンはほぼ全項目が高値でした😭
④サッドフェイス
甲状腺機能低下症の特徴に「サッドフェイス」(悲壮感あふれる顔)があります。これは全身の水分代謝も悪くなるため、どうしても顔がムクみやすくなるためです。うちの子はほうれい線みたいな感じになりました。
⑤外耳炎を繰り返す
また甲状腺機能低下症は外耳炎を繰り返すようになります。東洋医学においても、耳は肝胆の経絡上にあり、肝臓や胆嚢のつまり・炎症が出やすい場所になります。
うちのポメラニアンの場合は油っぽいもの食べるとすぐに外耳炎(耳のニキビの炎症)ができるようになりました。頭をなでると痛いのか、嫌がって鳴くのですぐ分りました😫
外耳炎になると目の涙腺もつまりやすくなり、このように片目が空きにくくなります。
病院からは点耳・点眼に使える抗菌薬(ロメワン)か点耳薬の(ウェルメイト)のどちらかを処方されました。
しかし、これでは皮膚&耳・目に抗菌薬ばかり😕最近は動物への抗菌薬乱用によるAMR(薬剤耐性)が問題視されているので、飼主としても少し気になりました。そこで、一度、食べるているものを見直すことにしました👀
うちの子の場合、病院からもらっていた薬用チュールや栄養ピューレなどのペースト系や、K9などの高たんぱくのおやつが実は合わない様子でした。食べるとすぐに目と耳がつまったりしました。また血液検査でもリパーゼの数値(膵臓からの酵素)が急増したりしてたので。そこで止めたところ外耳炎も目のつまりもなくなりました。ここ1年間は再発していません。(もちろん個体差あると思います)
甲状腺機能低下症の症状まとめ
うちのポメラニアンを中心とした甲状腺機能低下症の症状をまとめます。必ずしもどのワンちゃんにもあるわけではなく、症状の有無や進行は個体差があると思います。
最初は毛や皮膚、耳といった表面的なトラブルが目立ちます。しかし、進行していくと徐々に「徐脈」や「心臓の雑音」などの症状も現われるように💣特に高脂血症は続くと肝臓、胆嚢だけでなく、血液を全身に循環させる心臓にも負担がかかります。甲状腺機能ホルモンは身体の全てに影響してコワイと思いました。
甲状腺機能低下症とクッシング症の関係
また甲状腺機能低下症の影には、副腎ホルモンのクッシング症候群の存在があることがあります。実際、うちのポメラニアンは1年半後に転院をし、クッシング症候群も診断されました。通常、クッシング症候群の発症が先で、甲状腺機能低下症をひっぱってくることが多いそうです。
ただこの診断にいたるまでの経緯については色々ありました。なので別途、記事に残すことができればと思います👍ホルモン、食事、漢方療法など治療の経過についてもぜひ♪
ではでは~🙏